米Gartnerは,2004年第1四半期の世界パソコン市場に関する調査結果の速報を米国時間2月12日に発表した。同社は,第1四半期の出荷台数が,一般消費者によるパソコンの需要にけん引されて前年同期比13.3%増の4400万台に達すると予測する。モバイル技術の普及により,新しい機器の購買が促進されているという。

 「エントリー・モデルの価格低下,価格に対するパフォーマンスの向上,家庭ユーザーによるワイヤレス技術の利点と有用性に対する認識の高まりが,家庭向けモバイル市場をけん引する要素となった。デジタル・コンテンツ機器と作成ツールの急増も家庭市場におけるパソコン販売を促進するだろう」(同社主任アナリストのGeorge Shiffler氏)

 2004年通年では,出荷台数が前年から13.9%増の1億8700万台に達するという。世界のパソコン市場は,すべての四半期で2桁成長が見込まれる。パソコン・ベンダーは,ビジネス分野の大きな成長を予測しているが,その傾向は特に米国で強い。

 同社によれば,景気改善にともない多くの米国企業は2000年に購入したパソコンを買い換える必要が生じる。しかし,早急に新しいシステムを購入する必要性には迫られていないという。ビジネス分野の成長は,同年下旬に期待される。

 地域別にみると,2003年における米国のビジネス向けパソコン市場の売り上げは平均以下だったが,西欧では平均以上のパフォーマンスをみせた。同社は,ユーロに対するドル安が欧州企業の購買力を促進したと分析する。2004年は,両市場ともに成長が期待されるという。

◎関連記事
「2003年Q4の世界PC出荷台数は前年同期比12%増,米HPが首位奪回」,米Gartner
「2003年Q3の世界パソコン出荷台数は前年同期比14.1%増,ノートPCがけん引」,米Gartnerの調査
米IDC,世界PC市場の2003年通期見通しを上方修正,前年比11.4%増の1億5200万台
米Gartner,世界パソコン市場の2003年通期見通しを上方修正

発表資料へ