スウェーデンのEricssonが現地時間2月6日に,2003年第4四半期と2003年通期の決算を発表した。第4四半期の売上高は362億クローナ(約50億ドル)で,前年同期の367億クローナ(約50億7000万ドル)と比べて4%減少した。純利益は1億クローナ(約1000万ドル)で,前年同期の純損失83億クローナ(約11億5000万ドル)から黒字転換を果たした。1株当たり利益は0.01(約0.1セント)クローナで,前年同期は1株当たり損失0.58クローナ(約8セント)を計上していた。

 2003年第4四半期末時点のWCDMA加入者数は280万人だった。CDMA2000 1X加入者数が急速に増加しており,7000万人に達した。同社は2004年第1四半期にGSM加入者数が10億人を超えるとみている。

 なお,2003年第4四半期末時点の同社従業員数は5万1583人で,前年同期の6万4621人から,1万3038人減少した。

 Ericsson社社長兼CEOのCarl-Henric Svanberg氏は,「モバイル・インフラ市場は確実に安定期に入った。トラフィックは継続して伸びており,通信事業者はネットワークの質と容量にますます重点を置いている」と説明した。また同氏は,「好調な業績で1年を締めくくることができた。今後も主導的地位の強化を図る。大幅なリストラ策は完了したが,小規模な調整は2004年第3四半期まで残っている」と付け加えた。

 「顧客とともに,第3世代(3G)サービスの初期段階で主要な秘訣を学んだ。こうした経験が優位性につながり,第4四半期の3G販売が促進した。2004年は,3Gの商用サービス開始が相次ぎ,2005年の大衆市場への浸透を促進する上で重要な年となる」(Svanberg氏)

 2003年通期の売上高は1177億クローナ(約162億7000万ドル)で,前年の1458億クローナ(約201億5000万ドル)と比べて19%減少。純損失は108億クローナ(約14億9000万ドル)で,前年の190億クローナ(約26億3000万ドル)と比べて赤字幅を縮小した。。1株当たり損失は0.69クローナ(約10セント)で,前年の1.51クローナ(約21セント)から改善した。

 また同社は,今後の見通しについても明らかにした。2004年第1四半期の売上高は,季節的要因により前期と比べて減少するが,前年同期比ではわずかに成長する見込み。同社は,2004年の世界モバイル・システム市場が前年より若干成長し,プロフェッショナル・サービス市場は好調な伸びをみせると予測している。

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