台湾のチップ・メーカーであるUnited Microelectronics(UMC)は,2003年第4四半期の決算を現地時間2月4日に発表した。営業利益と純利益の両方が前期から60%以上の増収となった。

 通信機器に組み込まれるチップの需要が高まり,売上高は前年同期比10.1%増の237億2000万台湾ドル(約6億9800万ドル)。前年同期からは35.3%増加した。純利益は,前年同期比60.1%増の67億3000万台湾ドル(約1億9800万ドル)だった。前年同期からは582%増加した。1株当たり利益は0.44台湾ドル(約0.065ドル)で,前年同期の0.28台湾ドル(0.041ドル)から増加した。

 営業利益は41億6000万台湾ドル(約1億2300万ドル)で,前年同期と比べ60.8%成長した。ウエーハの出荷量は8インチ・ウエーハに換算して,前期の54万6000枚分から17.9%増の64万4000枚分になった。ASP(平均販売価格)は横ばいだったが,強力な台湾ドルにより出荷量の伸びが売上高よりも大きかった。

 同社CEOのJackson Hu氏は,「営業利益が前期から60%以上増加したことを喜ばしく思う。当期は全体的な需要が増加し,特に通信分野の受注が急増した。2003年の売上高は前年から26%成長し,純利益は2倍に伸びている」と述べた。

 同期の非営業利益は,前年同期から288%増の25億5000万台湾ドルになった。光ストレージICベンダーのMediatek社,TFT-LCDパネルのAU Optronics社,TFT-LCDドライバ・チップのNovatek Microelectronics社などの株式売却によっておよそ46億台湾ドルを獲得した。しかし,売却益からTeco社の売却損6億4900万台湾ドル,長期投資の減価償却による11億6000万台湾ドルなどが差し引かれた。

 同社は,2004年に11億5000万ドルの設備投資を予定している。前年から300mmウエーハの製造施設とシリコンIPの開発に投資してきたが,同年は8億ドルを300mmウエーハ製造施設の拡張に投じる。2004年末までに製造能力を3倍に拡張する予定。

 2004年第1四半期の予測としては,ウエーハの出荷量はほぼ横ばいで,平均販売価格は1けた台前半の上昇になるとみている。また,ウエーハ売り上げの50%以上を0.18μm以下の技術が占めると予測している。

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