米Oracleは米国時間2月3日に,データベース管理システム「Oracle Database 10g」の出荷開始を発表した。自己管理機能を備え,パフォーマンス診断,アプリケーション調整,メモリー管理といった反復的な作業の手間を削減する。

 「Oracle Database 10gは企業にグリッド・コンピューティング・インフラを提供し,既存のIT資産の効率を最大限に高めることが可能」(Oracle社)。Oracle社によると,米Beyond Genomics,イタリアのBPU Banca Group,ドイツのDeutsche Post,米Prolexys Pharmaceuticalsなどが同ソフトウエアのベータ・テストを行ったという。

 また同社は「大企業の部門や中小企業のニーズに応えるため」(Oracle社),Oracle Database 10gのエントリ版「Standard Edition One」の価格体系を変更した。1プロセサあたり4995ドルに引き下げ,対象とするサーバー規模を2プロセサに拡大した。なお,「Named User Plus」ライセンスの場合,1ユーザー当たり149ドルで,最大5ユーザーに対応。

 また,Oracle Database 10g Standard Editionを購入した顧客に対し,データベース・クラスタ機能を無償で提供する。最大4プロセサに対応する。「企業は,小さい規模でスタートし,事業環境の変化に合わせて大きく成長することができる」(Oracle社)

 ちなみに,米メディア( Linux Pipeline)によると,Oracle Database 10gはUNIXとLinux向けのみ利用可能。Windows向けは数週間以内にリリースする。なお,Oracle Database 10g Standard Edition Oneの価格変更は,米Microsoftの「SQL Server」の価格に合わせたものだという。

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