米Hewlett-Packard(HP)とフィンランドのNokiaは,ITサービス契約の拡大で拘束力を持たない覚書(Memorandum of Understanding:MOU)に署名した。両社が米国時間2月3日に発表したもの。2004年末までに正式に署名する予定。
両社は,2001年9月にITサービスの提携を結んでおり,今回この契約期限を最大5年延長する。HP社がNokia社のITインフラおよび運用を世界規模で管理する。
これまでの提携では,Nokia社のIT環境を柔軟で拡張性の高いITインフラに移行することに焦点を当てていた。「最初の2年間で,大幅なコスト節約を実現し,Noki社が当初考えていた目標を上回ることができた」(両社)
今後は,Nokia社のIT環境をサービス・ベース・モデルに発展させる。サービス・ベース・モデルはHP社の大企業向けユーティリティ・コンピューティング戦略「Adaptive Enterprise」を反映したもので,サービスを利用した分だけ請求する従量課金制をとる。
「Nokia社との関係は,当社のAdaptive Enterprise戦略の能力を実証している。同戦略は,事業効率の向上,運用コストの削減,ITリソースの効果的な利用を可能にする」(HP社HP Services事業Europe, Middle East and Africa担当上級バイス・プレジデント兼ジェネラル・マネージャのFrancesco Serafini氏)
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