米Verizon Communicationsは,2003年第4四半期と2003年通期の決算を米国時間1月29日に発表した。第4四半期の売上高は173億ドルで,前年同期の172億ドルに比べ0.7%増。一時的な費用を除いた場合の純利益は16億ドル(希薄化後の1株当たり利益は58セント)。一時的な費用は31億ドルで,自主退職プランによって同期中に2万1000人以上が離職したことにともなう29億ドルの費用を含む。前年同期の同条件の純利益は22億ドル(同79セント)。

 GAAP(会計原則)ベースの純損失は15億ドル(希薄化後の1株当たり損失は53セント)。前年同期のGAAPベースの純利益は23億ドル(希薄化後の1株当たり利益は83セント)だった。

 2003年通期の売上高は678億ドルで,前年の673億ドルに比べ0.7%増えた。一時的な費用を除いた場合の純利益は73億ドル(同2.26ドル)で,前年は純利益84億ドル(同3.05ドル)。GAAPベースの純利益は31億ドル(希薄化後の1株当たり利益は1.11ドル)で,前年は純利益41億ドル(同1.49ドル)だった。

 事業別にみると,無線サービス事業Verizon Wirelessの第4四半期の売上高は60億ドルで前年同期の52億ドルに比べ14.6%増加した。同期中に150万人近くの新規加入者を獲得し,年間の新規加入者数は500万人となった。いずれも「過去最高の増加」(同社)という。これにより2003年末時点の加入者数は3750万人となり,前年末の2250万人から15.5%増えている。

 長距離電話サービス事業の2003年通期の売上高は20億ドル。第4四半期に73万6000件の加入があった。2003年末時点の回線数は1660万回線で,前年末の1250万回線に比べ33.3%増。

 DSLサービスについては,同期に20万3000回線増え,2003年末時点で230万回線以上となった。前年末より64万9000回線多く,38.9%の増加という。

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