米IBMは,POWER 4プロセサを搭載する新型ストレージ・システム「IBM TotalStorage NAS Gateway 500」を米国時間1月27日に発表した。IBM社では「複数のネットワークにまたがるデータ共有を高速化すると同時に,既存のストレージ用ハードウエア資産を最大限活用できる」としている。

 同システムはPOWERプロセサを搭載し,OSはAIXを採用した。「IBM Tivoli Storage Manager」「Tivoli Storage Resource Manager」「Tivoli SAN Manager」用のエージェントにより,既存のストレージ・インフラと同システムをスムーズに接続して管理できるという。

 同社のIBM eServerシステムや「IBM TotalStorage Enterprise Storage Server」「IBM TotalStorage FAStT」のほか,UNIX/Linux/Windowsクライアントにも対応している。「IBM TotalStorage SAN Volume Controller」と組み合わせて運用すると,他社製ストレージ・サーバーの利用も可能となる。

 「今日のデータ・センターでは,多種多様なNASおよびSAN技術の混在がよく起る。NAS Gateway 500を使用すると,現在使用中のストレージ機材を使って作業に必要な手間を減らせる」(IBM社ストレージ・システム担当副社長のLeslie Swanson氏)

 同システムは自律コンピューティング技術を導入しており,動作状況を自動的に監視/維持するので,管理者はより重要な作業に集中できるという。さらに,問題が発生した場合には同社の技術部門に自動通知する。

 NAS Gateway 500の一般向け販売は2004年2月6日より始める。価格は6万ドルから。

 米メディアの報道(TechWeb)によると,NAS Gateway 500の処理性能は従来モデルの「NAS Gateway 300」に比べ,NFSを使ったUNIX/Linux環境では6倍高速に,CFISを使ったWindows環境では50%高速になったという。また対応可能容量は最大224Tバイトで,NAS Gateway 300の22Tバイトよりも増えた。

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