米palmOneは米国時間1月21日,事業再編計画について明らかにした。ハンドヘルド・コンピュータとスマートフォン製品への投資バランスを見直し,全従業員の12%にあたる約100人を削減する。

 同社は2003年10月にPalm OS事業を手がける米PalmSourceを完全独立させ,同時に米Handspringの買収を完了。その際に社名を「Palm」から「palmOne」に変更した。同社は今回の発表を「統合過程の第2段階」と説明している。

 人員削減では,ほとんどの部門を対象とする。削減後の従業員数は約740人となる。「2005会計年度の増収と黒字転換を目指し,会社の合理化を進める」(palmOne社)

 palmOne社社長兼CEOのTodd Bradley氏は,「ハンドヘルド・コンピュータ分野で優勢を維持しつつ,より多くの投資を,急成長しているスマートフォン分野に向ける」と述べた。「Handspring社の買収がシナジー効果をもたらし,厳しい戦略的決断と経営上の統制を行うことで,全体的な支出を削減する。これらの再編策により,当社は収益創出という目標にさらに近づくことができる」(同氏)

 ちなみに米メディアの報道(Mobile Pipeline)によると,palmOne社はかつて,Palm OS以外のプラットフォームを引き離し,高いシェアを誇っていたが,過去2年間でそのシェアは大幅に縮小した。「依然として世界ハンドヘルド・コンピュータ市場で首位の座を維持しているものの,米Hewlett-Packard(HP)が急速に追い上げており,欧州ではすでにHP社がpalmOne社を抜いている。PDA市場は携帯電話にユーザーを奪われ,今後数年で横ばいから下り坂となる。スマートフォン分野で足場を築くことは,palmOne社にとって非常に重要だ」(米IDC,モバイル・デバイス担当アナリストのAlex Slawsby氏)

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