米Red Hatは,大企業向けLinuxディストリビューション「Red Hat Enterprise Linux」用の新たなモジュール「Provisioning Module」を米国時間1月21日,発表した。Red Hat Enterprise Linuxを利用する企業が,複数のLinuxシステムを動的に導入,構成,管理できるようにする。
Red Hat社エンジニアリング部門執行バイス・プレジデントのPaul Cormier氏は,「システム・プロビジョニング(システム供給)のプロセスを単一のインタフェースにまとめ,自動化した。Provisioning Moduleによって,企業はインフラ管理のコスト効率を高めることができる」と説明した。
同モジュールは,OSインストール,設定管理,複数のロールバック,「Kickstart」設定ツール,RPMベースのアプリケーション・プロビジョニングなどの機能を備える。「ユーザーは,Linuxインフラのライフ・サイクル全体を管理することが可能」(Red Hat社)
Provisioning Moduleは,「Red Hat Network」サービスに組み込まれる。Red Hat Networkで提供しているその他のモジュールは以下の通り。
・「Update Module」:すべてのRed Hat Enterprise Linux登録ユーザーに提供する。GUI,優先度通知,誤り情報,RPMの依存性チェック,自動アップデートなどの機能を含む。単一システムを対象とする。
・「Management Module」:複数のシステムをグループ化し,ポリシー,許可,スケジュールに沿ったロール・ベースの管理を可能にする。
ちなみに米メディアの報道(CNET News.com)によると,Provisioning Moduleの年間利用料は,サーバー1台当たり192ドル。Management Moduleは同96ドル。
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