米Infonetics Researchは米国時間1月20日に,広域Ethernet装置の世界市場に関する調査結果を発表した。同市場は2003年の29億ドル規模から年平均27%で成長し,2007年には現在の2.5倍の75億ドル規模に達する見込み。

 2003年における広域Ethernet装置のポート数は110万ポートで,2002年の90万6000ポートから増加した。2003~2007年に年平均52%で伸び,現在の5倍以上の580万ポートに拡大する見通しだ。

 Infonetics Research社主席アナリストのMichael Howard氏は,「広域Ethernet装置市場で最も関心を集めているのはRPRだ。RPRは驚異的な速度で成長している」と指摘する。「2003年におけるRPRの世界売上高は3億2300万ドルにのぼった。これが年平均32%で成長し,2007年には現在の3倍の9億6700万ドルに達するだろう。北米と欧州のサービス・プロバイダのうち63%がRPRを用いたEthernetサービスの提供を計画しているという」(同氏)

 そのほかの主な調査結果は以下の通り。

・2003年における広域Ethernet装置の総売上高のうち,顧客側装置(CLE)が42%,プロバイダ側装置(PE)が58%を占めた。ポート数でみた場合,CLEの割合が49%,PEが51%。これが2007年には,CLEが69%,PEが31%に逆転する。

・2003年における広域Ethernet装置の総売上高のうち,スイッチとルーターが67%を占めた。

・2003年における広域Ethernet装置の総売上高のうち,SONET/SDH(標準およびRPR)が21%を占めた。

・2003年における広域Ethernet装置の総売上高のうち,アジア太平洋地域のシェアは41%,北米は35%,欧州/中東/アフリカは19%だった。

・アジア太平洋地域のサービス・プロバイダは,Ethernetをより廉価でシンプルな技術として受け入れており,今後も急成長が期待できる。

・韓国,日本,中国のサービス・プロバイダは,政府の後押しなどを受け,2003年に集合店舗や集合住宅(MTU/MDU)の接続を急速に進めた。

・インドでは,2003年にネットワーク接続やEthernetの導入が始まったばかりだが,2004~2007年における市場成長の一端を担うようになる。

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