米VERITAS Softwareは,同社のクラスタリング・ソフトウエア「VERITAS Cluster Server」を,ドイツSUSE LINUXの企業向けLinuxディストリビューション「SUSE LINUX Enterprise Server」と,米VMwareのサーバー仮想化ソフトウエア「VMware ESX Server」に対応させた。VERITAS社が米国時間1月19日に明らかにしたもの。「当社の企業向けストレージ/データ保護/高可用性/自動設定ソフトウエアの一連の製品は,SUSE LINUXおよびRed Hatという主要Linuxプラットフォームの両方で利用可能となった」(同社)

 VERITAS Cluster Serverは,クラスタリング用の設定/管理ソフトウエア。同ソフトウエアに加え,「VERITAS File System」と「VERITAS Volume Manager」を含むスイート製品「VERITAS Foundation Suite」も,SUSE LINUX Enterprise Server上で使えるようになった。「これによりVERITAS Cluster Serverは,米IBMのAIX,米Hewlett-Packard(HP)のHP UX,米Red HatのRed Hat Linux,SUSE LINUX,米MicrosoftのWindows,米Sun MicrosystemsのSolarisといった主なすべてのOSで使える」(同社)

 さらにVMware ESX Serverに対応したことで,VMware環境の可用性を向上できるという。VMwareは,サーバー環境を仮想化するためのソフトウエア。1台のx86対応サーバーで,仮想的に複数のLinuxやWindows,米NovelのNetWare環境を構築できる。VMware用VERITAS Cluster Serverを使うと,VMware ESX Server上で動作している各仮想マシンの状態を監視し,問題が発生した場合には仮想マシンをクラスタ内のほかのノードやサーバーにフェールオーバすることで,動作停止を避けられる。

 VMware対応VERITAS Cluster Serverの価格は,Linuxクライアント1台当たり1995ドルから。サポート/メンテナンス契約を結んでいるLinux用VERITAS Cluster Serverの現行ユーザーは,無料で利用できる。SUSE LINUX対応製品の価格は,VERITAS Cluster Serverが1プロセサ当たり1995ドル,VERITAS Foundation Suiteが1プロセサ当たり1500ドル。

 なおLinux用VERITAS Foundation Suite 2.2は,無料で60日間利用できる試用版をVERITAS社のWebサイト(Red Hat用SUSE LINUX用)で提供している。

 またVERITAS社は同日,SUSE LINUX Enterprise Server 8対応版の自動サーバー設定ソフトウエア「VERITAS OpForce 3.2」についても明らかにした。2004年3月1日に利用可能とする。

 同ソフトウエアを使用すると,SUSE LINUX Enterprise ServerおよびRed Hat Enterprise Linux Advanced Serverの動作しているブレード・サーバーなどの設定作業を自動化できるという。「30台のサーバーを用意して設定する作業は通常200時間以上かかるが,VERITAS OpForce 3.2を導入すれば,これを15時間以下に短縮できる」(同社)

 SUSE LINUXとRed Hat Linuxに対応したことで,VERITAS OpForceの対応OSは,AIX,Red Hat Linux,SUSE LINUX,Solaris,Windowsとなった。ライセンス(OpForce Server Provisioning License)の価格は7500ドルから。プロセサ数が1つ増えるごとに,追加で500ドル必要となる。

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[発表資料(VERITAS Cluster Server)]
[発表資料(VERITAS OpForce 3.2)]