米Network AssociatesとスペインのPanda Softwareは米国時間1月19日,大量の電子メールを送信する新たなワーム「W32/BAGLE@MM」(「Bagle.A」「Bagle」または「Beagle」)について警告を発した。フィンランドのF-Secureも,現地時間1月19日に同様の警告を発している。

 Network Associates社による危険度の評価は「中」。Panda Software社は,「コンピュータ・ネットワークを停止させる恐れはあるが,そのほかの破壊行動はない」とみている。

 Network Associates社アンチウイルス研究部門Anti-Virus Emergency Response Team(AVERT)は,同ワームを1月19日に初めて確認し,同日中に世界中の数十社の企業から報告を受けたという。

 Bagleは感染したコンピュータのローカル・ディスクに保存されている「.wab」「.txt」「.htm」「.html」の拡張子が付いたファイルから電子メール・アドレスを収集し,自身に内蔵されたSMTPエンジンを使って,自身を送りつける。取得した電子メール・アドレスは「From」欄(発信者)と「To」欄(送信先)の両方に用いられるため,受信者は発信元を特定できない。

 電子メールは以下のような内容で届く。
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発信者:(ランダムな電子メール・アドレス)
件名:Hi
本文:
Test =)
(ランダムな文字)
--
Test, yep.

添付ファイル:(ランダムなファイル名)15,872バイト
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 F-Secure社によると,添付ファイルには計算機のアイコンが付いているという。

 また,ワームはリモート接続の有無をTCPポート6777で確認する。さまざまなWebサイトにアクセスしたり、リモート・サイトにあるスクリプトを呼び出すなどして、コマンドを待機していることをワームの作成者に通知しようと試みる。

 なお,ワームはコンピュータの日付が2004年1月28日になると,活動を停止する。F-Secure社は,この特徴が「『Sobig』と似ている」と指摘する。Sobigは,期限を過ぎると活動を停止し,そのたびに新しい亜種が登場した。

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[発表資料(Network Associates社)]
[発表資料(F-Secure社)]
[発表資料(Panda Software社)]