米Microsoftは,UNIX環境からWindowsプラットフォームへの移行を支援するためのソフトウエア・ツール・セットの新版「Windows Services for UNIX Version 3.5(SFU 3.5)」を,米国時間1月15日に発表した。SFU 3.5を使用すると,UNIXとWindowsの両環境でユーザー・アカウント/パスワード情報やファイル,その他リソースを共有したり,UNIX用アプリケーションをWindows環境で動作させたりできる。

 SFU 3.5について,Microsoft社は,「WindowsとUNIXを同一のIT環境に統合するクロス・プラットフォーム・サービスを提供するので,ITリソースのコスト削減と効率向上に役立つ」と説明する。新版では,Network File System(NFS)の大幅な性能向上により,WindowsとUNIXのどちらの環境からでもスムーズにファイルをアクセスできるという。「双方向パスワード同期機能,ユーザー名の対応付け,Server for Network Information Service(NIS)を改善したことで,Windows Server 2003のActive Directoryサービスを使った,UNIXとWindowsの両プラットフォームに関わるディレクトリ・サービスの統合/集中管理が行いやすくなった」(同社)

 SFU 3.5は,クロス・プラットフォーム環境の管理をより効率よくするため,新しいツールを採用した。サーバーなどの再起動を行わずにネットワーク設定を変更できる,動的登録機能も導入している。

 さらに,UNIX用アプリケーションをコンパイルし直してWindows環境で動作させるための強化版Interixサブシステムと,Software Development Kit(ソフトウエア開発キット)も提供する。強化版ではマルチスレッド対応アプリケーションの実行も可能となり,「UNIX用に開発されたより多くのアプリケーションを,Windowsプラットフォーム上で利用できる」(同社)

 SFU 3.5は,同社のWebサイトから無料でダウンロードできる。

 米メディアの報道(CNET News.com)によると,これまでMicrosoft社は,SFUを1クライアントまたは1サーバー当たり99ドルで販売していたという。

 また別の米メディア(InfoWorld)によると,SFU 3.5の対応プラットフォームは,Windows 2000,Windows 2000 Server,Windows XP Professional Edition,Windows Server 2003であるという。

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