米META Groupは,北米におけるIT分野のアウトソーシング業界について調査した結果を,米国時間1月14日に発表した。それによると,企業は以前にも増して,ビジネス・プロセスや技術の統合といった業務をアウトソーシングするようになっている。今後,アウトソーシング・ベンダーが自社を売り込むにあたって重要になるのは,垂直市場に関する知識,社風,広範な技術ソリューションの提供だという。

 META Group社Technology Research Services部門担当副社長のDean Davison氏は,「アウトソーシング・ベンダーの選定には,経営陣と技術担当者の両方が関わるようになっている。ITの活用は,企業の効率を向上できる一方で,支出を増やす要因となる。このため,ベンダーが企業に相応のROI(投資回収率)を提供できなければ,競争力を失う結果となるだろう」と説明した。

 主な調査結果は次の通り。

・大手ベンダーは,広範な技術と,ビジネスおよび市場に関する知識を有している。ブランド力強化が成功のカギを握るため,顧客サービスの向上に力を入れている。

・中堅ベンダーは,技術の提供に注力する傾向がある。またベンダーによっては,オフショア,アプリケーション提供,統合サービスなど,ニッチ市場に焦点を当てている。

・新規参入ベンダーは,垂直市場や特定の地域など,ニッチ市場向けにサービスを提供している。また,中小企業だけにサービスを提供するベンダーもいる。

 META Group社は,2007~2008年に重要となる分野として,手頃な価格のインフラ・ソリューション,世界規模のサービス,垂直市場に関するノウハウ,統合ソリューション,ビジネス・プロセスの統合サービス,コスト効率の高い中小企業向けサービスなどを挙げている。

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