米国電気通信工業会(TIA)が米国時間1月14日,米通信業界の動向について,調査結果を発表した。米通信業界の2003年における売上高は前年比4.7%増の7205億ドルに達した。2004年はさらに6.8%成長し,7695億ドルとなる見通しだという。

 2004~2007年における米通信業界の年平均成長率は9.2%を予測しており,「最終的には1兆ドル規模に到達する見込み」(TIA)。

 2003年は,無線サービス,機器サポート・サービスをはじめ,テレビ/音声会議,高速インターネットといった特化サービスの2ケタ成長が,市内/長距離電話や装置の減収を相殺した。

 米国の設備投資は盛り返しをみせつつある。ネットワーク装置分野は2003年の140億ドル規模で底を打ち,2004年には144億ドルに増えるとみる。大企業向け向け装置の売上高は,企業のIP移行が進んだことから,2003年には前年比3.9%増の940億ドルに拡大した。もっとも成長したのはビデオ会議分野で,前年をを28.6%上回る9億ドル規模となった。

 ブロードバンド・サービス分野の売上高は,2003年の130億ドルから2007年には250億ドルに達する見込み。特に高速インターネット・サービス(ケーブル・モデム,DSL,固定回線,衛星,FTTH)は,2003年の182億ドルが,2007年には347億ドルまで成長するという。

 無線分野(携帯電話,Wi-Fi機器,無線インフラなど)は,2003年の売上高が前年比7.9%増の1345億ドルとなった。無線インターネット接続,テキスト・メッセージング,インスタント・メッセージングなどがけん引しており,2004~2007年にかけて年平均成長率9.1%で成長し,1908億ドル規模に到達する見通し。

 2004年の世界通信市場(米国を除く)の売上高は,前年比10.3%増の1兆5000億ドルとなる見通しで,「その後は年平均10.5%で成長を続け,2007年には2兆ドルに到達する」(TIA)。

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