米Sun Microsystemsは,医療保険会社の米Blue Cross Blue Shield of Massachusetts(BCBSMA)が同社のサーバー向けJavaシステム「Java Enterprise System」を導入すると米国時間1月13日に発表した。

 Java Enterprise Systemは,Sun社のソフトウエア戦略における重要な柱という位置づけ。オープンな統合システムを提供し,「あらゆる事業のニーズに対応した企業向け共有ネットワークの中核を構築する」(Sun社)

 BCBSMA社は,すでにJava Enterprise Systemの購入手続きを済ませており,今後,実装を進める予定である。

 既存の認証管理ソフトウエアをJava Enterprise Systemの「Network Identity Services」に移行し,Sun社のプロフェッショナル・サービス・コンサルタントが作業を担当する。BCBSMA社はただちに「Java System Identity Server」を,安全な統合Webアクセス管理,管理委譲,セルフ・サービス,連携型認証に利用する。

 さらに,社内全体にわたる3300人以上の従業員と100以上のシステムにJava Enterprise Systemを導入する。BCBSMA社はこれにより,今後18カ月間で大幅なコスト節約を実現したい考えである。

 ちなみに米メディア(CNET News.com)によると,BCBSMA社は以前からSun社のハードウエアを利用していたが,従業員のアクセス管理には米Netegrityのソフトウエアを使用していた。

 「ミドルウエアは過去のものとなった。大企業はミドルウエアを手作業で調整する時間もないし,それを待っているわけにもいかない。大企業が望んでいるのは,必要なプラットフォーム要素をすべて統合したシステムを入手できる“システム・アプローチ”だ」(Sun社ソフトウエア部門執行バイス・プレジデントのJonathan Schwartz氏)

 Java Enterprise Systemは,Sun社および「Sun iForce」パートナ企業を通じて利用可能。Java Enterprise Systemおよび各種構成製品を90日間無料でテスト使用できる。年間利用料は従業員1人あたり100ドル。

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