スウェーデンのMySQLが米国時間1月12日に,オープンソース・データベースの新版「MySQL 5.0」を発表した。「ストアード・プロシジャ機能を導入するなど,大規模なエンタプライズ・データベース・アプリケーション開発向けの機能強化を施した」(MySQL社)とする。試験/評価用のアルファ版を,現在MySQL社のWWWサイトで公開している。

 MySQLは,同社が開発しているオープンソースのデータベース・ソフトウエア。GNU General Public License(GPL)のもとで公開しており,誰でも無料でソース・コードの閲覧/改変/再配布が行える。

 新版では,トランザクション/リプリケーションに完全対応するなど,ミッション・クリティカルなエンタプライズ向け機能を組み込んだ。「企業や政府組織は,ITインフラを経済的に補足するソフトウエアとしてMySQLを導入することで,数100万ドルの経費を節約している」(MySQL社CEOのMarten Mickos氏)

 ストアード・プロシジャに対応したことで,既存の従来型データベース・アプリケーションにMySQLを導入する作業が容易になる。「アクセシビリティが向上するだけでなく,データ保全性と開発生産性も高まる」(同社)。なおMySQLのストアード・プロシジャは,SQL:2003をベースとしている。

 MySQL 5.0のストアード・プロシジャは,サーバー・サイド・カーソル機能にも対応。さらに,移植性,移行性,国際化,ユーザビリティを強化する新機能を採用したという。

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