米Intelは,大手小売業者である仏Carrefour,独METRO Group,英Tescoの3社と協力して,次世代EPC(電子製品コード)技術の普及促進を図るワーキング・グループ「EPC Retail Users Group of Europe」を設立した。Intel社が米国時間1月12日に明らかにしたもの。

 同グループは,「EPC Global」など既存の標準化団体と連携して,欧州の小売業者に最適な,RFID(無線IC)タグ・リーダーやビジネス・プロセスを検討する。EPC技術および同技術の導入成功例に関する文書やホワイト・ペーパーを作成し,欧州におけるEPCの普及促進に取り組む計画。

 グループ設立の背景にあるのは,サプライ・チェーンの大規模化と複雑化である。製品が世界各地のさまざまな倉庫や配送センターを経て,店舗で販売されるようになっているため,運転経費を削減できる効率的な流通プロセスと,在庫管理技術のニーズが高まっている。このためIntel社,Carrefour社,METRO Group社,Tesco社は,EPCおよびRFID技術の試験的導入を積極的に行っているという。

 Intel社Sales and Marketingグループ担当副社長のJohn Davies氏は,「ワーキング・グループの設立は,小売業界の変革を推し進めるだろう」と述べ,次のように説明した。「当社はさまざまな企業と協力して,Itanium 2ベース・サーバーで動作するバックエンド・データベースをはじめ,無線モバイル技術『Centrino』やマイクロアーキテクチャ『XScale』を利用したエンド・ユーザー向けデバイスの提供に努めている。これらの取り組みは,過剰在庫とサプライ・チェーン管理費を減らし,消費者の関心に合わせてカスタマイズしたショッピングを可能にするうえで非常に重要だ」(同氏)

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