米In-Stat/MDRが米国時間1月7日に,プロ向けVideo over IPサービス市場に関する調査結果を発表した。それによると,2007年における全世界での同市場の規模は22億ドルを上回り,2003年から2007年にかけ年平均45.3%のペースで増加するという。

 同市場で成長が顕著なのは,インタラクティブ・コミュニケーション用の双方向ライブ・ビデオと,情報配信用の一方向ライブ・ビデオの2分野。両分野の市場全体に占める割合は,2003年は17.3%に過ぎないが,2007年には42%に拡大する。

 In-Stat/MDR社主任アナリストのGerry Kaufhold氏は,「企業のビデオ・サービスは既にIPインフラを利用しており,放送業界でもIPサービス化が次第に進む」と予測する。「IPネットワークは,従来のプロ向け高品質リアルタイム・ビデオ接続よりも低コストで非常に広い帯域を確保できる。しかも従来方式は,極めて厳しい技術的条件が求められる」(同氏)

 しかし同氏は,「IP方式が広まるにはやや時間がかかる」とみる。「従来型の配信サービスは長期契約を結ぶものなので,契約期間が終わるまでIPソリューション導入を検討できないからだ」(同氏)

 そのほかの主な調査結果は以下の通り。

・地域別では,北米が最大の市場となる。ビデオ番組の多くは,米国のテレビ/映画会社などが製作する。将来は北米外でのビデオ制作活動が増え,全世界でプロ向けVideo over IPサービス市場の拡大に寄与する

・(ライブではない)蓄積転送の分野では,ストリーミング・ビデオ・サービス提供に使われるコンテンツ配信ネットワーク(CDN)が,年平均36%で急成長する

・2007年に近づくと,それまでの配信サービス契約が切れ出すことから,IPビデオ配信ネットワークの全分野で成長速度が速くなり始め,その状態が続く

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