米Apple Computerは,クラスタリング技術「Xgrid」を米国時間1月6日にプレビュー公開した。Apple社のAdvanced Computation Group(ACG)が開発したもので,同日より無償ベータ版を同社サイトで提供する。

 Xgridは,Apple社のネットワーク技術「Rendezvous」を利用して,使われていないデスクトップ・パソコンやサーバーなどを集約的に利用するグリッド・コンピューティングに仮想IT環境を構築する技術。例えば,遺伝子配列の解析アプリケーション「BLAST」など,高性能なコンピューティング環境を必要とするアプリケーションを容易に実行できる。

 同日発表したApple社製サーバー「Xserve G5」を42Uラックに搭載してXgridを作動させた場合,PowerPC G5プロセサを最大84にクラスタ化することで,1.5テラフロップの処理能力を持つスーパーコンピュータが実現するという。

 また,コンソールにAquaインタフェースを採用しており,コマンド実行やクラスタ間のアプリケーション移動も容易に行えるという。BLASTをネイティブ・サポートするほか,ソフトウエア開発キットを装備しており,カスタム・アプリケーションの移植が可能。

 「XgridはMacのクラスタをスーパーコンピュータに変身させることができる。ネットワーク技術のRendezvousを利用すれば,システム同士でタスクを自動的に検出,接続および管理できる」(Apple社Worldwide Product Marketing部門シニア・バイス・プレジデントのPhilip Schiller氏)

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