米Microsoftは,Macintosh向け製品「Office 2004 for Mac」と「Virtual PC for Mac Version 7」を2004年上半期にリリースする。同社が米国時間1月6日,サンフランシスコで開催中の「Macworld Conference & Expo」で明らかにしたもの。

 「Office 2004 for Macでは,“Macが最初”という機能を多数用意している。OfficeはMacユーザーにとっても必須のパッケージ。当社は今後も全力でMac用製品の開発に取り組むつもりだ」(Microsoft社,Macintosh Business Unit担当ジェネラル・マネージャのRoz Ho氏)

 Virtual PC for Macは,Macintosh上でWindows OSやWindowsアプリケーションを実行する仮想マシン・ソフト。「Windows XP Professional」を付属する新版では,Macintosh G5との互換性を確保するほか,操作性の向上を図る。

 Office 2004 for Macの主な新機能は以下の通り。

・Project Center
特定のプロジェクトに関連した電子メール,ファイル,コンタクト・リスト,ミーティング,作業などを一括管理できる。プロジェクト・メンバー同士の情報共有も可能。

・Wordのノートブック・レイアウト表示
罫線つきノートのようなレイアウトで,ユーザーはメモを保存したり,関連情報の検索とフラグ立てが行える。また,Word文書に音声を直接録音できる。

・スクラップブック
テキスト,ロゴ,画像などを保存し,即座にアクセスできるようにする。

・Excelのページ・レイアウト表示
ページを印刷時のイメージで表示し,マージン,ヘッダ,フッタなどのページ・レイアウトを,スプレッドシートで直接操作できる。

・互換性レポート
Officeの異なるバージョンや,複数プラットフォームで文書を共有する際の問題点をレポートする。

 Office 2004 for Macは,Standard版 ,Mac Student and Teacher版,Professional版を用意する。Standard版には,「Word 2004」「Excel 2004」「PowerPoint 2004」「Entourage 2004」「MSNMessenger Version 4.0」が含まれる。Mac Student and Teacher版は,Standard版と同じ内容を割引価格で提供するもの。Professional版は,Standard版の内容に加え,Virtual PC for Mac Version 7とWindows XP Professionalが付属する。対応言語は,英語,日本語,フランス語,ドイツ語,スペイン語,スウェーデン語,イタリア語。

 Microsoft社は,Professional版へのアップグレード・プログラムも用意する。「Office v. X Standard」版からは90ドル,「Office v. X Student and Teacher」版からは129ドルとする予定。

◎関連記事
米マイクロソフトがMac OS X 10.1対応のOffice v. X for Macを発売
米マイクロソフトがMac向けワープロと電子メール・ソフトのパックを期間限定発売
米Microsoft,Mac向け「Entourage X」にExchange Server対応機能を追加へ 
Office次期版をはじめとする2003年のMS新製品のマーケティング戦略が明らかに
マイクロソフト,Mac上でWindowsを動作させる仮想マシン・ソフトを発売 
MSがVirtual PC for Windowsの試用版を無償提供 
Microsoftが仮想マシン技術の買収で手に入れたもの
Linuxユーザ待望のオフィス登場,MS Officeとの互換性は約9割(上)

[発表資料へ]