米Transmetaは,x86互換のモバイル/組み込み用新型プロセサ「Crusoe TM5700」と「同TM5900」を米国時間1月5日に発表した。いずれも動作周波数は最大1GHzで,大きさは同社の従来製品「同TM5800」の半分という。すでにサンプル品を出荷しており,量産出荷は同月中に開始する。

 TM5700およびTM5900はノースブリッジを内蔵しながら,パッケージ・サイズは21mm×21mmと従来品に比べ小型化した。「高性能が求められると同時に小型で発熱が制限される環境に最適なプロセサで,シン・クライアント,ブレード・サーバー,プリンタ,コピー機,POS端末,スマート・ディスプレイ,携帯用家電,超小型コンピュータ,セットトップ・ボックスなどに向いている」(Transmeta社)

 両プロセサともCrusoe製品系列を継承するプロセサであり,低消費電力と高性能が特徴という。128ビット長のVLIWエンジンをベースとするマイクロ・アーキテクチャにより,1クロック当たり最大4命令の実行が可能。ノースブリッジを内蔵したことで,システム構築に必要なチップ数と消費電力を削減でき,パソコン用基板の大きさとコストを小さくできる。

 整数/浮動小数点演算ユニット,命令/データ用にそれぞれ独立した64Kバイトのキャッシュ,64ビットDDR SDRAMメモリー・コントローラ,32ビットPCIコントローラを内蔵する。レベル2ライト・バック・キャッシュのサイズは,TM5900が512Kバイト,TM5700が256Kバイト。

 消費電力管理技術「LongRun」を採用しており,動作させるアプリケーションの要求する処理能力に応じてプロセサ・コアの動作電圧と動作周波数を動的に変化させ,システムの熱環境に合わせてプロセサの状態を調整する。その結果「熱の発生をさらに抑えられる」(同社)

 さらに同社は,TM5900に対応したMini-ITX規格マザーボード用の評価/参照プラットフォームを2004年第1四半期に利用可能とする予定。

 なお同社によると,米Microsoft,米Phoenix Technologies,米Silicon Motion,米Wyse TechnologyがTM5700およびTM5900への対応を表明したという。

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