米Wal-Mart Storesは,音楽ダウンロード・サービスを試験的に運用すると米国時間12月18日に発表した。試験サービスは同社のWebサイトで同日開始し,2004年の早い時期に正式運用に移す予定。試験期間中,数10万曲の楽曲を用意し,1曲0.88ドルで販売する。

 Wal-Mart社Walmart.com部門エンターテインメント・メディア担当上級カテゴリ・マネージャのKevin Swint氏は,「幅広いジャンルの音楽を簡単に入手できることが,当社の顧客にとって大切であると気付いた」と述べる。「顧客の64%がネットワーク接続できる環境を持っているので,当社が“店舗”で扱う音楽商品にデジタル音楽ダウンロード・サービスを加えるのは自然の流れだ」(同氏)

 同試験サービスで提供する音楽ファイルの形式はWMA。ユーザーはWindows対応パソコンでダウンロードした曲を再生できるほか,CD-ROMへの保存と携帯用プレーヤへの転送も行える。ダウンロード・データの利用範囲は,すべての楽曲に同じ制限を設け,取り扱いが煩雑にならないようにするという。

 「新サービスの試験期間は,ユーザーからの意見や要望を調べる上で重要な意味を持つ。(数カ月の試験を行うことで)ユーザーが何度も利用したくなるような,優れた音楽ダウンロード・サービスを実現できる」(Swint氏)

 同サービスは,Wal-Mart社に音楽CDなどを納める米Anderson Merchandisersと共同で開発した。Anderson社が2003年1月に買収した米Liquid Digital Media(旧社名はLiquid Audio)の資産を利用し,楽曲を提供する。

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