米Hitachi Global Storage Technologies(Hitachi GST)は,Serial Attached SCSI (SAS)プロトコルによって3Gビット/秒のデータ転送に成功した。同社が米国時間12月17日に発表した。これにより,開発パートナとのテスト・スケジュールが予定よりも早く進められるという。

 設計エンジニアは,Hitachi GSTのハードディスク・コントローラを使って3Gビット/秒接続をネゴシエーションするSAS接続シーケンスのデモを行なった。接続シーケンスは,OOB(Out-of-Band)信号,速度ネゴシエーション,アイデンティティ・フレームの交換で構成され,SASコマンドとデータ・フレームは3Gビット/秒の接続で交換された。

 3Gビット/秒のSASをベースとするコンポーネントを統合するサーバーとストレージ・システムは,オンライン・トランザクションの処理,データ分析,ストレージの仮想化といった帯域幅が要求されるアプリケーション向けに高レベルなシステム・パフォーマンスの提供が可能。SASをベースとするハードディスクは,外付けストレージやネットワーク化したストレージ環境における利用が期待される。

 SASは,企業向けのストレージ装置をポイント・ツー・ポイントで装置レベルで接続するインタフェースを定義する。SCSIプロトコル,シリアル・ポイント・ツー・ポイント接続,デュアル・ポーティングを組み込む。コネクタとケーブルが小型化されるため,システム密度が高まり,小型デバイスにも利用できる。

 同社によれば,同デモの成功は,同社の企業向けハード・ドライブ部門の成長にさらに拍車をかける技術革新となる。同社は,2004年にSASベースのハード・ドライブの製品化を計画している。

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