米IBMと米Symbol Technologiesは,特定業界向けのモバイル・ソリューションで提携を結ぶことを米国時間12月15日,発表した。「工場の在庫および発注状況からレジでの販売いたるまで,小売業者が重要なデータを効率的に追跡できるようになる。そのほか,官庁,旅行会社,病院などの業務効率化にも役立つ」(IBM社)

 具体的には,Symbol社の技術とIBM社のソフトウエア,ハードウエア,サービスを統合したソリューションを共同開発し,販売する。IBM社のJavaソフトウエア「WebSphere Micro Edition」を搭載するSymbol社のモバイル機器で,IBM社のモバイル向け通信処理ソフトウエア「MQ Everyplace」のメッセージング機能を利用し,米Siebel,独SAP,米JD Edwards,米PeopleSoftのアプリケーションや,分散データベースの情報にアクセスできるようにする。

 「SCMの効率化,企業におけるITシステムの強化を支援し,販売の合理化とソフトウエア/ハードウエアの統合を実現する」(IBM社)

 Symbol社は,IBM社の組み込み型モバイル・ミドルウエアをデバイスに取り入れる。ユーザーはハンドヘルド機を使って,IBM社の「eServer x-Series」サーバーで稼働するバックエンド・システムにアクセスし,データを素早く取り出せるという。

 また,IBM社の「WebSphere Everyplace Connection Manager」の新バージョンにより,ハンドヘルド機やバーコード・スキャナ,POSシステムを使うユーザーは,iDEN,CDMA,GSM,無線LANやホットスポットなどのネットワークにローミング対応したモバイル向けVPNを通じて,企業データに高速アクセすることができる。

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