米BMC Softwareは,米Network AssociatesからMagic Solutions事業の資産を買収することで両社が合意に達したことを米国時間12月15日,発表した。BMC Software社はNetwork Associates社に約4700万ドルを現金で支払う。取引は60日以内に完了する予定である。

 Magic Solutions社は,ヘルプ・デスク用ソフトウエアや,中小企業向けの関連ソリューションを手がけており,4000社以上の顧客を抱えるという。BMC Software社は,今回の買収により,中小企業市場へのITサービス管理事業拡大を図る。

 買収の対象となるのは,「Magic Service Desk」や「同Help DeskIQ」ソフトウエアなど。これらの資産は,BMC Software社のRemedy事業部門の管轄に入る。また,Magic Solutions社の約200人の従業員は,BMC Software社に移管される。

 「Magic Service DeskとMagic Help Deskのユーザーは,Magic Solutions社,Remedy部門,そしてBMC Software社が提供する一連の製品により,幅広い方法で事業ニーズに対応することができるようになる」(BMC Software社Remedy部門バイス・プレジデント兼ジェネラル・マネージャのJim Grant氏)

 「この取引が,株主にとっても顧客にとっても良い結論だと判断した。今後数カ月,Magic Solutions社の顧客を問題なく確実に移行することに努める」(Network Associates社会長兼CEOのGeorge Samenuk氏)

 米Gartnerでリサーチ・ディレクタを務めるKris Brittain氏は,「経済が回復の兆しをみせるとともに,統合ITサービス管理のベンダーは,市場における地位拡充を目指し,買収の機会をうかがっている。中~大企業への足場を築くために,整理統合は今後も増えるだろう」と述べた。

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[発表資料(BMC Software社のプレス・リリース)]
[発表資料(Network Associates社のプレス・リリース)]