米PeopleSoft，買収した米J.D. Edwardsの製品を統合するツール・セットを発表

和田英一

2003.12.16

　米PeopleSoftは，同社が買収した米J.D. Edwardsのアプリケーションを統合する7つのツールを提供する。同社が米国時間12月15日に発表した。これは，同社の「PeopleSoft Enterprise」（旧称「PeopleSoft 8」）と「PeopleSoft EnterpriseOne」（旧称「J.D. Edwards 5」）のユーザーが両製品の機能を利用可能にするもの。同社は9月4日に発表した製品ロードマップを目標よりも早く達成した。同日，EnterpriseOneと「PeopleSoft World」の顧客向けに新しい「Enterprise Performance Management（EPM）」ソリューションの4製品も発表している。

　EnterpriseOneファミリは，J. D. Edwards 5技術をベースにしている。資産ライフサイクル管理，顧客関係管理，財務管理，人的資本管理，プロジェクト管理，サプライヤ関係管理，サプライ・チェーン管理，AppConnectといった機能を提供する。30のモジュールで400を越える機能強化を追加している。

　統合により，Enterpriseユーザーは，EnterpriseOneファミリの不動産管理，資産ライフサイクル管理，高度なプランニング機能などが利用できるようになる。また， Enterpriseからも戦略的ソーシング，人的資産管理，顧客関係管理の機能が，EnterpriseOneファミリに加えられる。

　統合される新しいソリューションは次の通り。

・Enterprise Order Capture
EnterpriseOneの在庫と受注管理にEnterpriseの受注機能を統合

・Enterprise Strategic Sourcing
Enterpriseの戦略的ソーシング機能をEnterpriseOneの調達機能に統合

・Enterprise Human Resource Management
EnterpriseOneの財務管理機能にEnterpriseの人的資産管理機能を統合

・EnterpriseOne Advanced Planning
EnterpriseOneのプランニング機能をEnterpriseのサプライ・チェーン管理機能に統合

・EnterpriseOne General Ledger
EnterpriseOneの総勘定元帳をEnterpriseの総勘定元帳機能に統合

・EnterpriseOne Capital Asset Management
EnterpriseOneの固定資産管理機能をEnterpriseの財務管理機能に統合

・EnterpriseOne Real Estate Management
EnterpriseOneの不動産管理機能をEnterpriseの財務管理機能に統合

　EPMアプリケーションは，「Global Consolidations」「Manufacturing Scorecard」「Supplier Rating System」「Enterprise Scorecard」の4製品が用意される。EPMアプリケーションをもとに，PeopleSoft EnterpriseOneとPeopleSoft Worldアプリケーションの顧客データは「Enterprise Warehouse」に統合できる。そのため，Enterprise Warehouseで作成されたEPMアプリケーションは，PeopleSoft EnterpriseOneとPeopleSoft Worldアプリケーションで利用できるようになる。

　両社の製品は，8月の合併以来それぞれ独立していたが，PeopleSoft社は12月初旬に合併後の取り組みとしてビジネス・アプリケーションの価格構成の調整を行なうことを発表していた。

　すべての統合ツールとEPMソリューションは，12月17日に出荷される。