米EMCは米国時間12月15日,米VMwareを買収することで両社が最終合意に達したことを明らかにした。買収総額は約6億3500万ドル。取引は現金で行われ,2004年初頭に完了する予定である。

 VMware社は,仮想コンピューティング・ソフトウエアのベンダー。Windows,Linux,NetWareなどの異なるOSを,米Intel製プロセサ搭載サーバーやワークステーションで同時に稼働させるための「仮想マシン」を開発している。

 EMC社はVMware社買収により,戦略の拡充を図り,顧客企業における複数の異なるITインフラへの仮想技術導入を推進する。EMC社が「仮想情報インフラ」と呼ぶ環境では,企業は計算リソースやストレージ・リソースを動的に調整/再調整し,停止することなく事業のニーズに対応することができる。「サーバー・バーチャライゼーション分野におけるVMware社の強みと,ストレージ・バーチャライゼーション分野におけるEMC社の技術を組み合わせ,次世代の情報ライフサイクル管理の基礎を提供する」(EMC社)

 EMC社社長兼CEOのJoe Tucci氏は, 「顧客はITインフラ管理を簡素化する手がかりを望んでいる。これはストレージだけの課題ではない。これまで,サーバーとストレージの仮想化は個別に存在していた。(VMware社買収により)EMC社はこれら2つの融合促進に取り組む」と述べた。

 買収手続きが完了した場合,EMC社は,VMware社の仕掛かり中の研究開発費や合併経費として1500万~2000万ドルを2004年第1四半期に計上する予定である。VMware社はEMC社のソフトウエア子会社となり,現VMware社社長兼CEOのDiane Greene氏が引き続き指揮をとる。

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