米MCI(旧WorldCom)の元会長兼CEOのJohn W. Sidgmore氏がは米国時間12月11日に死去した。享年52才。MCI社が同日明らかにしたもの。

 「我々は,Sidgmore氏が亡くなったことを深く悲しんでいる。同氏は真のインターネットの予言者であり,リーダーだった。また,人々の生活に喜びをもたらす不思議な才能を備えていた。同氏の企業家精神が今後もわれわれとともにあることをたたえる」(同社)

 WorldCom社は38億ドルに上る粉飾決算が2002年6月25日に発覚。取引銀行団から資産の差し押さえを求められるなど,資金調達が困難な状況に直面し,同年7月21日に米連邦破産法11条(チャプター11:日本の会社更生法に相当)の適用を申請した。その際,同社設立者で同年4月までCEOを務めたBernard J. Ebbers氏の後を継いだのがSidgmore氏である。Sidgmore氏は投資家や債権者の信用のつなぎとめるべく尽力し,同社の再建に取り組んだ。

 Sidgmore氏は2002年11月15日にCEO職を退き,代わって米Hewlett-Packard(HP)元社長のMichael D. Capellas氏が同職に就任した。

 なお,同社は2003年7月に,証券取引委員会(SEC)が同社を相手取って起こしていた民事訴訟に関して,制裁金7億5000万ドルで和解が成立。同年9月に二つの債権者グループと和解合意に達している。

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