米IBMは米国時間12月12日に,グリッド/自律型コンピューティングを活用するための新サービスを発表した。「コンサルティング・ナレッジと研究および技術のノウハウを組み合わせ,顧客が各業界で競争力を発揮できるよう支援する」(IBM社)としている。

 IBM Business Consulting Services部門とIBM Global Services部門からコンサルティングの専門家を,あわせてIBM Research事業から新技術の専門家を顧客企業に派遣する。「グリッド/自律型コンピューティングの活用に向けた環境構築を手助けする」(IBM Global Services 部門Integrated Technology Services担当ジェネラル・マネージャのBruce Williams氏)

 グリッド/自律型コンピューティング技術により,企業は分散したITリソースの計算能力を活用し,まるで大規模な1台のコンピュータのように一元管理することが可能。「運用効率を向上し,生産性を高め,業務状況の変化に迅速に対応することができる」(IBM社)

 今回発表したサービスの主な内容は以下の通り。

・「IBM Grid Value at Work」:TCOの詳細な解析を行い,グリッド・コンピューティング・プロジェクトのロードマップを提供する。

・「IBM Business Impact of Technology Services」:重要なビジネス・プロセス,コスト管理,収益創出へのグリッド・コンピューティングの影響を判断する。

・「Grid Solution Deployment Services」:事業目標に基づいたグリッド・コンピューティングの検証,企画,設計,導入,運用を支援する。

・「Autonomic Computing Readiness Engagement Services」:インフラおよびアプリケーション管理の条件を定義する枠組みを構築し,業務システムの自動化を推進する。また,自律コンピューティングのサービス,プロセス,人材,管理ツールに関する指導原則を策定する。

・「Autonomic Computing Design and Implementation Services」:自己調整,自己修復,自己最適化,自己保護といった自律コンピューティング機能の構築と設計を支援する。

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