米AT&Tは,現在米国企業向けとしているVoIPサービスの範囲を全世界に拡大するとともに,米国の主要都市で消費者向けサービスの提供を始めると,米国時間12月11日に発表した。同社は米国の西海岸地区でVoIP用設備の設置を進めており,2004年第1四半期に作業が完了し次第,米国の100大都市で消費者向けサービスを開始する。

 「多くの競業会社のサービスは,利用できる地域やブロードバンド接続技術に制限がある。それに対し当社のVoIPサービスは,全米の都市で利用可能な上,異なる種類のブロードバンド接続を使っているユーザーとも通話できる」(AT&T社会長兼CEOのDavid Dorman氏)

 また同社は,VoIP事業を担当する上級役員職を新設し,現在同社の消費者部門担当上級副社長を務めるCathy Martine氏を同役員に任命した。

 同社は1997年から米国の一部企業顧客に対しVoIPサービスを提供しており,数100社が利用しているという。2004年から開始するVoIPサービスについて,利用料金や詳しい内容は明らかにしていない。

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