米Microsoftはスウェーデンのストックホルムで,米Lindows.comに対する製品配布の差し止め命令を申請した。Lindows.com社が現地時間12月11日に明らかにしたもの。

 Microsoft社は,係争中の商標侵害訴訟の判決が下るまで,Lindows.com社に対してスウェーデンで「Lindows」「Lindows.com」「LindowsOS」マークの使用を禁じるよう裁判所に求めている。

 Lindows.com社CEOのMichael Robertson氏は,「Microsoft社は,訴訟を利用してLinuxを打ちのめそうとしている。Linuxが販売店に並ぶのを妨げるつもりだ」と述べた。

 「Microsoft社の本当の意図が独占的地位の維持であることを判事が見抜き,スウェーデンのコンピュータ・ユーザーにも,他の世界のユーザーと同様の選択肢を与えることを期待する。Microsoft社は米国でも同様の訴訟を起こして,Linuxが主流ユーザーに普及するのを防ごうとした。しかし,裁判所がMicrosoft社の要求を退けてきたため,今では100以上の小売業者がLinux搭載パソコンを販売している。Microsoft社はこの数年で初めて競争に直面しており,消費者の選択肢は広がっている」(同氏)

 Lindows.com社がストックホルム市裁判所から受け取った通知によると,Ulrika Carlehall裁判官はMicrosoft社の要求を認め,商標侵害訴訟がなんらかの解決に至るまで,Lindows.com社に製品配布を中止するよう命じている。この命令に背いた場合は,300万クローナ(約41万ドル)が課せられる。

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