大手技術企業とコンテンツ関連企業がデジタル・コンテンツ配信の業界団体「Content Reference Forum(CRF)」を発足させた。CRFが米国時間12月10日に明らかにしたもの。さまざまなメディアおよび地域にわたるデジタル・コンテンツ配信の共通手段を開発することを目的とする。

 同団体の設立メンバーは,英ARM,米ContentGuard,米Macrovision,米Microsoft,NTT,米Universal Music Group,米VeriSign。最初の取り組みとして,インターネット対応コンピュータ・プラットフォーム向けデジタル・コンテンツ配信の技術仕様「CRF Baseline Profile v1.0」の初回版をWWWサイトに掲載している。

 「現在のデジタル・コンテンツ技術は相互操作性が欠けており,消費者がフォーマットやプラットフォームなどの条件にかかわらず,いつでも所望のコンテンツを手軽に取得できるというわけにはいかない。また,市場に参加する会社が信頼を持って業務提携を結ぶための適切な技術的枠組みもない。CRFは,こうした課題の解決を図る。技術および業務の枠組みを作成し,異なる複数の技術プラットフォームにおける相互操作性の確立と,新たなビジネス・モデルの発展を目指す」(CRF)

 CRFのアーキテクチャの中心となるデータ・パッケージ「Content References」では,コンテンツと,そのコンテンツが使用される文脈を定義する。適切なコンテンツやユーザーの環境(レンダリング,言語,場所),コンテンツ使用の商用条件などを判断する「Reference Services」が,Content Referencesを解釈する。CRFの当面の活動はエンターテインメント・コンテンツ配信に向けたものだが,「他の業界やアプリケーションにも同様の原則を適用できる」(CRF)としている。

 CRF Baseline Profile v1.0の最終版と設計ガイドラインは,2004年半ばにリリースする予定である。なお,CRFで策定する仕様は,MPEG,OASIS,W3C,WS-Iなどが定める標準規格との連携も視野に入れる。

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