米Ferris Researchは,電子メールの利用に必要なタスクに関する調査結果を米国時間12月10日に発表した。その結果,電子メール・ユーザーは,一般的に電子メール利用に付随するタスクに週1~2時間を費やしていることが明らかになった。

 これらタスクには,電子メールのダウンロード,メッセージの検索,電子メールの印刷,フォルダへの分類,スパムとウイルスの処理,アドレス帳の利用などが含まれる。中でも,メッセージの検索に費やされる時間がもっとも大きい。電子メールの印刷とフォルダへのメッセージ分類がこれに続いた。

 「電子メールの検索機能は,技術改善により好影響が期待できる領域の1つ。良い検索ツールがあれば,メッセージの分類時間が短縮される。情報検索が速くなるため,仕事の品質と効率も改善できるだろう」(同社の編集者David Ferris氏)

 同レポートによれば,優れた検索機能を持つ電子メール製品は少ないという。検索ツールが使いにくい場合に,ユーザーは,カラムを使って自分でメッセージを探している。たとえば,送信メールのフォルダに行き,受信者名または電子メール・アドレスでソートする。これで見つからない場合には,メール・クライアントの検索機能に頼るが,これには時間がかかる場合が多い。

 検索に関するタスクで明らかになったのは通り。

・通常,ユーザーは,検索中に他のタスクが実行できない。

・ヘビー・ユーザーは,メールの検索に週15分費やしている。

・多くのユーザーは,検索機能よりもソートの方が簡単だと考えている。

・複数のフォルダを検索するよりもフォルダ1つの検索の方が速いため,インボックスにすべてのメールを残しているユーザーがいる。

・多くの検索タスクには,フル・テキストの検索が必要とされる。

・一般的にメッセージをフォルダ分けすると検索が容易になる。しかし,フォルダの管理に時間がかかるとともに,メッセージの検索が難しくなることがある。

 一週間に費やされるタスクごとの時間は次の通り。 1.検索          13分 2.印刷          11分 3.フォルダ分類      10分 4.送受信         8分 5.スパム・コントロール   5分 6.ウイルス・コントロール  4分

 結果として,優れた検索ツールの入手が重要だとしている。新しい技術と法令により,スパム管理の時間は短縮できるが,ウイルス関連のタスクにはまだ時間がかかるという。また,Yahoo!やHotmailといったWebクライアントを使っている場合には,これらのタスクにより時間がかかるという。

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