米Intel，C++／Fortranコンパイラの新版「Version 8.0」を発表

和田英一

2003.12.10

　米Intelは米国時間12月9日に，同社製プロセサに対応するコンパイラ「Intel C++ Compiler」「Intel Fortran Compiler」「Intel C++ Compilers for Windows CE .NET」の新版「Version 8.0」を発表した。1つのコンパイラで，サーバーやデスクトップ・パソコンから，ノート・パソコン／携帯電話機／PDAなどのモバイル・システムまで，同社製プロセサ・ベースの幅広い環境上で動作するアプリケーションを作成できる。同日より利用可能とし，価格は399ドルから1499ドル。

　Intel C++ CompilerおよびIntel Fortran Compilerは，Windows版とLinux版を用意する。対応プロセサは，Intel Itanium 2，同Xeon，同Pentium 4，同Personal Internet Client Architecture（PCA），同Pentium M。また将来リリース予定のプロセサ「Prescott」（開発コード名）用アプリケーションも作成可能。

　新版コンパイラは，プロセサの命令をスレッド・レベルで並列処理する「Hyper-Threading（HT）Technology」に対応しており，アプリケーションを自動的に複数スレッド化できる。さらに，共有メモリー型並列アーキテクチャ用の並列プログラミング規格であるOpenMP 2.0にも対応している

　新版では，新たにアプリケーション試験ツール「Intel Code Coverage」「Intel Test Prioritization Tools」を提供する。「両ツールを組み合わせて使用すると，アプリケーション内の個々の処理の動作状況を調べることができ，開発時間短縮や品質向上に役立つ」（同社）

　また同社は，米Hewlett-Packardの「Compaq Visual Fortran（CVF）」と互換性のある「Intel Visual Fortran Compiler for Windows」について，以下のように説明する。「当社製コンパイラの最適化能力とコード生成技術により，CVFを使って開発したソース・コードをIntel Visual Fortranに移植する作業が以前より簡単になった」。同コンパイラを使うと，Intel社の32ビットおよびItanium環境上のWindowsとLinuxで，CVF言語の機能が利用できるという。

　なお強化版に当たる「Intel Visual Fortran Compiler, Professional Edition, for Windows」は，2004年の早い時期にリリースする予定。米Visual Numericsの開発した「IMSL Fortran 5.0 Library」が付属する。