複数のメーカーが集まり,USBフラッシュ・ドライブの普及を目的とした業界グループ「USB Flash Drive Alliance(UFDA)」を米国時間12月8日に結成した。中心となるスポンサ会員は,台湾のGenesys Logic,米Kingston Technology,米Lexar Media,米PNY Technologies,韓国のSamsung Electronicsの米国子会社Samsung Semiconductor。準会員として,米Crucial Technology,米Microsoft,米SimpleTech,米Viking Interworksが同アライアンスをサポートする。

 USBフラッシュ・デバイスは,コンピュータとの接続インターフェースにUSB,データ格納に半導体ベースのフラッシュ・メモリーを用いた小型デバイス。最大2Gバイトの記憶容量を持ち,ビデオ・クリップ,デジタル写真,デジタル文書を持ち運ぶなどの用途に使われている。USBポートさえあれば,ソフトウエアの追加も要らず,プラグ・アンド・プレイで利用できる。

 新しいアライアンスの会長に就任したSamsung Semiconductor社のフラッシュ・マーケティング・ディレクターであるSteffen Hellmold氏は,「USBフラッシュ・メモリーは人気を獲得しつつあるが,消費者の認知度となると宣伝が必要だ。まだ,この製品を知っている人は多いとは言えない」と述べている。同氏によれば,このようなストレージ機器は,電子機器の小売店で独自の売り場を確保するまでには至っていないという。

 UFDAは,同技術の普及を狙う教育目的のWebサイトを立ち上げる他,年間を通じてさまざまなイベントへの参加を予定している。

 市場調査会社の米Semico Researchによると,全世界のUSBフラッシュ・メモリーの出荷数は,前年の500万台から2003年は3000万台へと大幅に増加しており,2007年には2億5000万台に達する見通しだという。

 同アライアンスによれば,メモリ容量が2GバイトのUSBフラッシュ・メモリー製品の価格は600~1000ドルで,メモリ容量が256Mバイトのものは100ドル以下で販売されており,128Mバイトだと50ドル以下になるという。

 USBフラッシュ・メモリーを提供する大手企業の中で米M-Systems,シンガポールのTrek 2000 International,日本のソニーなどは同アライアンスに参加していない。

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