米Motorolaのカメラ付き携帯電話機が供給不足の状態に陥っている。Motorola社が米国時間12月4日に明らかにしたもの。同社は2003年第4四半期の初めごろ「Motorola V300」「同V500」の出荷を開始し,同日より利用可能としているが,内蔵カメラ用部品の不足の影響で出荷台数は注文台数に満たないという。

 内蔵カメラ用部品の不足について,Motorola社パーソナル・コミュニケーションズ部門(PCS)サプライ・チェーン運営担当副社長兼ジェネラル・マネージャのBob Perez氏は「業界全体の問題」と説明する。「当社の携帯電話機に搭載するような,非常に小さいタイプのカメラに使う部品の供給が特に少ないため,当社は(他社よりも)大きな影響を受けているように思う」(同氏)

 「カメラ用部品の供給量増加を目指し,我々はできる限りの対策を進めている」(Motorola社PCS担当社長のTom Lynch氏)

 米メディアの報道(CNET News.com)によると,フィンランドのNokia,ドイツのSiemens,スウェーデンのEricssonとソニーの合弁企業Sony Ericsson Mobile CommunicationsといったMotorola社のライバル・メーカーも,部品不足を指摘しているという。しかしそのなかで世界最大のメーカーであるNokia社は,他社よりも悪影響が少ないようだ。また投資家やアナリストは,Motorola社の製品供給不足を「言い訳に過ぎず,サプライ・チェーン管理のまずさが原因」とみる。

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