NECの米国法人NEC Americaは,企業向けの構内用無線LANソリューションを米国時間12月4日に発表した。同社のIP-PBX通信プラットフォームをベースに,無線アクセス・ポイント,無線コントローラ,システム管理ソフトウエアを組み合わせたソリューション。「携帯用ハンドセット,ノート・パソコン,タブレットPC,PDAなどの接続が可能で,医療,教育,接客,一般企業などさまざまな業界で,従業員がモバイル・コミュニケーションを取るのに利用できる」(同社)とする。

 同社は,独立系テスト機関Tolly Groupが無線コントローラ「NEC WL2012」「同WL2024」,アクセス・ポイント「NEC WL1200 Series」を試験した結果を引用する形で紹介している。試験項目と結果は以下の通り。

・QoS:
 WL1200は音声トラフィックの優先処理を効率よく行い,会話に必要な帯域を確実に割り当てた

・拡張性:
 1台のアクセス・ポイントで最大14回線の音声通話に対応できる

・ローミング性能:
 アクセス・ポイント間をユーザーが移動しても,音声通信の品質を維持できた

・リアルタイム性能:
 エンド・ツー・エンド(アクセス・ポイントからスイッチを介してアクセス・ポイントまで)の平均遅延時間は3ミリ秒で,企業での音声通話に十分な性能を備える

 なおNEC America社は,同ソリューションの価格や提供時期については明らかにしていない。

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