米Sun Microsystemsとオープンソース・ツール開発プロジェクトnetbeans.orgは,Javaプラットフォーム用開発フレームワーク「NetBeans Application Framework」のロードマップを米国時間12月4日に発表した。2004年中に行うバージョン4.0までのリリース計画と,各バージョンの概要を明らかにしたもの。Sun社は「開発者の生産性向上を図るとともに,ユーザー・インタフェースを完全に設計し直し,より直感的な操作が行えるようにする」としている。

 現在提供中のNetBeans 3.5は,サーバーからハンドヘルド機器まで幅広いアプリケーションの開発を目指し,さまざまなツールを提供しているという。JavaServer Pages(JSP)およびサーブレットを使ったWebアプリケーションや,Java基本クラス(JFC)によるリッチ・クライアントの構築が可能なオープンソース統合開発環境(IDE)を備え,Java 2 Platform, Micro Edition(J2ME)およびJDK 1.4用アプリケーションの作成も行える。複数のOSに対応しており,Solaris Operating System,Linux,Windows,Macintoshプラットフォームで利用できる。

 ロードマップによると,2004年にNetBeans 3.6と同4.0のリリースを計画している。両バージョンの概要は以下の通り。

・NetBeans 3.6:
 ユーザー・インタフェースの再設計で直感的な操作を可能にするほか,ワークフロー改良,ルック&フィール改善などを施す。ソース・コードの表示を見やすくするための「Code Folding」機能も採用する。2004年第1四半期リリースの予定

・NetBeans 4.0:
 リファクタリングを自動化する機能をIDEに組み込み,ソース・コードのメンテナンス作業を支援する。「Smart Imports」機能の導入や「Code Completion」機能の改良により,ソース・コード編集作業の迅速化を図る。さらにビルド・システムの柔軟性を高め,より複雑なアプリケーション作成も可能とする。2004年後半リリースの予定

 米メディアの報道(CNET News.com)によると,Sun社は前日,オープン・ソース開発ツールを手がけるEclipse Consortiumへの参加を断念した。Sun社は「netbeans.orgとEclipseのあいだにある技術的相違が不参加の主な理由」と述べたという。

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