「多くのオンライン・ショッピング・サイトでは,ブラック・フライデー(感謝祭直後の金曜日)の午前中にアクセスが集中したため,成約率が80%近くに低下した」。米Keynote Systemsが米国時間12月4日に,感謝祭(11月第4木曜日)前後のオンライン・ショッピング・サイトの動作状況に関する調査結果を発表した。それによると,ブラック・フライデーでWebサイトが最も混み合う午前9時から正午のあいだに商品を買おうとしたユーザーの約20%が,購入に失敗したという。ブラック・フライデーの午前5時から午後8時までの平均成約率は89.1%だった。

 一方,感謝祭前日の成約率は98.4%だった。「ブラック・フライデーに予想されるオンライン・ショッピングの増加に対し,ショッピング・サイトが適切な準備をしていなかったのは明らかだ」(Keynote社)

 同社は「(購買失敗など)オンライン・ショッピングの不快な経験は,購買減少に直接結びつく」と指摘する。eビジネスでは,実際のエンド・ユーザーの視点で,“取引の質”を継続的に監視する必要がある。

 ブラック・フライデー以降の状況については,Keynote社公共サービス・グループ上級アナリストのRoopak Patel氏が次のように説明する。「金曜日の混雑が終わり,土曜日と日曜日は安定した。しかし月曜日になると,人々が職場に戻った影響でショッピング・サイトの応答時間が伸び,通常14秒~17秒で済むところが65秒に跳ね上がってしまった。成約率が80%を切るところも出てきた」

 競争がし烈なオンライン小売業界では,顧客はワン・クリックするだけでほかの店に去ってしまう。「取引の2割近くが失敗するとなると,失う売上高はすぐに数1000万ドルに達する」(同氏)

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