米Microsoftは,Webベースの電子メール・サービス「MSN Hotmail」の新版を米国時間12月3日に発表した。スパム対策を強化するとともにインタフェースをオフィス統合製品「Office 2003」に近づけ,新しい機能も追加した。 

 新版では,スパムの報告と管理機能,コンタクト・リスト,スケジュールに改善を加えている。電子メールを受信した場合に,送信者がオンライン状態ならばIMで接続して即時に返答できるOutlookの「Instant Reply」機能も追加している。

 また,スパムのフィルタリング機能を強化している。ユーザーが設定できるフィルタリング・レベルが強化され,フィルタをすり抜けたスパムをMicrosoft社に報告できるようになった。同機能は,2004年に出荷が予定される「Exchange Server 2003」の対スパムのアドオンにも採用される。

 Hotmailは,アンチスパム技術「SmartScreen」を採用している。「Report Junk E-Mail」ボタンのクリックでユーザーがスパムの報告できるため,Microsoft社は他のHotmailユーザーに届けられる前に効率よくスパムを根絶できる。同社は,Hotmailに寄せられた500万通に及ぶスパム・メールを分析してSmartScreenが使うスパムの基準を定義している。

 また,スパムから感染するウイルス対策も強化しており,「McAfee VirusScan」を使って自動的に添付ファイルのスキャンを実施するようになった。

 「MSN 8」,「MSN Premium」,「MSN Plus」といった有料サービスの利用者は,Hotmailに統合されるカレンダ機能にどこからでもアクセスできるようになった。カレンダに登録した会議のリマインダを電子メールまたは携帯電話で受信,カレンダ・データの共有,カレンダの印刷もできる。

 現在,1か月に1億4500万人のユーザーがHotmailを利用している。

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