米Network Applianceが,ATAハード・ディスク装置ベースの企業向けストレージ・システム「NetApp NearStore R200」と,ストレージ管理ソフトウエア「SnapVault」の新版を,米国時間12月2日に発表した。

 NetApp NearStoreシステムとSnapVaultを組み合わせて運用すると,数10Tバイトのオンライン・データのバックアップが可能となる。その際,メインのストレージ・システムの性能はほとんど損なわれず,バックアップ用ストレージの容量を削減でき,メンテナンスの手間も減らせるという。

 SnapVaultは,複数の場所や遠隔地にある多種多様なストレージ・システムからスナップショットのコピーを集め,NearStoreシステムに保存する機能を備える。高速で自動化された処理により,バックアップにかかる時間を短縮するとともに,迅速なデータ復旧を可能とし,管理作業を簡素化するという。「さらにストレージ・ソリューションの性能も向上できる。こうした効果が,複数ベンダーのストレージ製品やコンピュータが混在する環境で得られる」(Network Appliance社)

 両製品の主な特徴は以下の通り。

【NearStore R200】
・記憶容量は8Tバイト。96Tバイトまで拡張可能

・SATA/FC-AL対応のディスク・ベイを14個用意

・320GバイトのATAハード・ディスク装置を使用

・RAIDグループ耐障害性の強化,デュアル・パリティRAID-DP対応

【SnapVault】
・開いているファイルのバックアップが可能

・ブロック・レベルの差分永久バックアップに対応

・Windowsのレジストリ・バックアップに対応

・新たにMicrosoft Windows 2003,Linux,AIX,IRIX,Solaris 9にも対応

・Windows 2003のVolume Shadow Copy Servicesに対応

 またNetwork Appliance社は同日,ストレージ製品「NetApp FAS980」とクラスタ構成の「同FAS980c」についても明らかにした。「従来製品よりも容量を拡大し,拡張性を高め,性能を大幅に向上させた」(同社)とする。

 両製品のOSは同社の「Data ONTAP 6.5」。ギガビットEthernet経由のNFS/CIFSや,DAFSといったファイル・システム上のファイルにアクセスできるほか,Fibre Channel Protocol(FCP)およびiSCSIを使ったブロック・アクセスにも対応する。単一システムの記憶容量は32Tバイトで,クラスタ構成時には最大64Tバイトまで拡張可能。ベンチマーク・テストSPECsfs97_R1.v3で計測したところ,従来製品の「NetApp FAS960」「同FAS960c」に比べ45%近くスループットが向上し,アプリケーションの応答性も改善したという。

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[発表資料(NetApp NearStore R200/SnapVault)]
[発表資料(FAS980/FAS980c)]