米Adobe Systemsが,企業文書向けオーサリング/パブリッシング・ソフトウエアの新版「Adobe FrameMaker 7.1」を,米国時間12月1日に発表した。「シンプルなワープロ機能と強力なXML機能を組み合わせたことで,コンテンツ流用や複数チャネル向け配信の作業が容易になった」(Adobe社)とする。

 FrameMaker 7.1は,XML形式のコンテンツをWYSIWYGモードで作成,編集,取り込める。さらにXML対応の“条件付きテキスト”機能を採用したことで,単一ファイルに保存したXML文書から複数コンテンツの生成が可能となった。この機能を使用すると,たとえば電子機器の規制,保証や顧客サービスの詳細が地域によって異なる場合などに,1つのファイルから少しだけ内容の異なる文書をいくつも作成する作業が大幅に省力化できるという。

 新版では,XML文書間のクロス参照機能に拡張を施し,単一ファイルから生成された複数文書へのリンクも設定できるようになった。また編集中のXML文書を自動的に保存する機能も追加した。

 同社のDTPソフトウエア「Quark XPress」および「Adobe PageMaker」用のフィルタを新たに搭載したことで,これらの形式で保存されたファイルをFrameMaker文書に変換する作業が容易になった。「(Quark XPressやPageMakerなど)古い形式のファイルを持っているユーザーも,FrameMakerの優れた文書処理機能と,印刷やPDF/HTML/XML形式で出力するための複数チャネル対応機能を活用できる」(同社)

 そのほかの強化点には,Photoshop形式ファイルの直接取り込み機能,PDFアートワークの処理改善,Adobe Illustratorファイル/JPEG 2000形式/Scalable Vector Graphics(SVG)形式への対応などがある。

 対応OSはWindowsおよびSun Solaris。米国,欧州,カナダ向けに同社のオンライン・ストアなどで2004年1月より提供を開始する。予想小売価格は,Windows用の製品版が799ドル,アップグレード版が199ドル。Sun Solaris用の製品版は1329ドル,アップグレード版は279ドル。

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