米Hewlett-Packard(HP)とアイルランドのBank of Irelandは,7年間にわたる世界規模のITサービス・アウトソーシングで提携したことを,それぞれ現地時間11月28日に発表した。提携規模は6億ドル。

 競争入札を行った後,今年4月にHP社が独占的に交渉する権利を取得した。両社はこれまでに,提携に関する法規を確認し,アイルランドおよび英国当局の承認を得たという。

 提携のもと,HP社のサービス部門であるHP ServicesがBank of Ireland社のITインフラ全体を管理する。デスクトップ・パソコン,サーバー,メインフレーム,LAN,プリンタなどを対象とする。HP Servicesは,サービス・デスクや設備管理サービスなども担当する。また,Bank of Ireland社の社員約500人がHP社へ移管される。

 HP社のソリューションとサービスは,コンピュータ自身が適性を管理するコンピューティング構想の大企業向け戦略「Adaptive Enterprise」をベースにする。「ビジネスとITを密に連携することで,企業が変化を予測し,迅速に対応できるよう支援する」(HP社)

 「多数のサービス・プロバイダを検討した結果,マネージド・サービスで実績があり,アイルランドに大規模なITサービスのプレゼンスを持つHP社を選んだ」(Bank of Ireland社グループCIOのCyril Dunne氏)

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