ドイツのDraegerwerkとフランスCap Gemini Ernst & Youngのドイツ法人Cap Gemini Ernst & Young Deutschlandは,世界規模/長期間のITアウトソーシング契約を結んだと,ドイツで現地時間11月27日に発表した。両社が同日,了解覚書(MOU:Memorandum Of Understanding)に調印したもの。これにともないCap Gemini社は,DraegerグループのIT関連企業3社を買収する。これによって得る受注額は,最大1億ユーロ(約1億1900万ドル)台になるという。

 なお詳細な条件は数週間後に決定するが,買収金額や詳しい内容については公表しないという。

 買収対象の3社は,データ・センター運営を手がけるドイツNordac Rechenzentrumsgesellschaft,ITコンサルティング・サービスのドイツDraeger Synematic,病院向け情報システムのドイツDraeger Information Technologies。これら3社に所属する230人のIT関連従業員は,Cap Gemini社に移籍する。

 「これにより,(Draegerwerk社とDraeger Synematic社が拠点を置く)ドイツのリューベックが,ドイツ北部における当社ITセンター・ネットワークの中心になる」(Cap Gemini Ernst & Young社中欧アウトソーシング部門担当副社長のUlrich Praedel氏)。今後Cap Gemini社は,Draegerグループに対してITサービスの提供を行う。

 Cap Gemini社と提携することで,Draegerグループでは「医療技術や安全技術を中核とする生命関連技術に注力できるようになる」としている。

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