フィンランドのNokiaは,米テキサス州にて実施した「Capital Market Days」にて,2000億ユーロ市場をターゲットとする戦略の概要を米国時間11月24日に明らかにした。モバイルの音声市場に加え,マルチメディアと企業向け市場への注力も拡大して行くという。

 「モバイル音声製品の拡張,消費者向けマルチメディアの促進,企業向けモバイル製品の拡大がNokia成長に向けた戦略の中核となる。2004年1月1日より発足する新しい事業体制で,エンド・ユーザーと消費者ニーズに合わせ,エンド・ツー・エンドのソリューション開発により2000億ユーロ市場をターゲットにしたい」(同社会長兼CEOのJorma Ollila氏)

 同日,Ollila氏は,Enterprise Solutions部門の執行バイス・プレジデント兼ジェネラル・マネージャとして元Hewlett-Packard社の幹部を務めたMary McDowell氏を任命したことも明らかにした。

 2003年の市場価値の推測をベースとして,同社は音声デバイス,イメージング,ゲーム,メディア,エンタプライズ向けモバイル,モバイル・ネットワーク市場が2000億ユーロ規模になるとみている。イメージング,ゲーム,メディア,エンタープライズ向けモバイル機器市場は,同社にとって成長拡張のチャンスが大きい。そのため,同社の新しい戦略では,この市場を捉えて純売上高の促進を狙っている。長期的な目標として,純売上高の平均成長率10%の達成を挙げている。

 同社の新しい事業体制は,「Mobile Phones」,「Multimedia」,「Networks」,「Enterprise Solutions」の4つの事業グループで構成する。現在の業績をもとに推測すると,売上高はMobile Phones部門が65%,Multimedia部門が10%強,Networks部門が20%弱,Enterprise Solutions部門がおよそ5%ほどの割合になるという。

 上記4グループの効率的な展開と競争力の向上を推進するために,販売およびマーケティング,製造,ロジスティクス,供給部門を世界規模で編成する。また,全社的な技術管理と開発を統括する技術部門が,4つのグループと顧客に対して技術やプラットフォームを提供する。

 Nokia社は,2003年第4四半期の事前予測だった, Nokia Networksの売上高およそ14億ドル,希薄後の1株あたりの利益が0.21~0.23ユーロを達成できるとしている。

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