デジタル家電機器向けLinuxを開発する団体Consumer Electronics Linux Forum(CELF)が,試験用Linuxソース・コードの提供を始めたと,米国時間11月24日に発表した。GNU General Public License(GPL)に従い公開し,CELFのメンバー以外もWWWサイトからダウンロードできる。

 同ソース・コードは,家電機器向けにLinuxを改造したもの。AV製品や携帯電話機などに適すよう,起動/シャットダウン時間の改善,リアルタイム機能の付加,ROM/RAM使用量への配慮,電力管理機能の追加などを施した。「今回初めて行う試験版リリースで対応しているプラットフォームの種類は少ないが,当団体のメンバーが開発を進めることで次第に増えるはず」(CELF)

 CELFでは,「設立から1年経過する2004年6月までには,正式仕様の初版を公開できるよう引き続き作業を行う」としている。

 CELFは,日立製作所,松下電器産業,NEC,オランダRoyal Philips Electronics,韓国Samsung Electronics,シャープ,ソニー,東芝が2003年6月24日に設立した団体。Linuxプラットフォームを家電機器用に強化することが目的。設立以来すでに22社が新たに参加している。また当初,設立企業8社で構成していた運営委員会には,米IBM,米Hewlett-Packard,韓国LG Electronics,米Motorola,フィンランドNokiaの5社が加わった。

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