米Cingular Wirelessは米国時間11月24日に,番号ポータビリティ制度(LNP:Local Number Portability)の導入開始を発表した。LNPは,携帯電話間および固定電話と携帯電話の間で,事業者を変更しても同一番号を保持できるというもの。(FCC)が,同日の導入開始を通信事業者に義務づけていた。

 LNPは,まず100の米国大都市を対象とする。他の地域では,2004年5月24日から適用する。

 Cingular社は大西洋標準時間11月24日午前12時1分に,プエルトリコで最初の番号申請を受けたという。申請者第1号は,ボクシング・チャンピオンのFelix "Tito" Trinidad氏だった。同氏の申請は同日午前中に処理される予定で,手続きが完了するまでのあいだも,既存の電話番号とサービスを引き続き利用できる。手続きが完了するとCingular社から通知メッセージが届き,その時点でCingular社サービスの加入者となる。

 Cingular社は無線サービスのLNP申請を,同社小売店,電話,WWWサイトで受け付けている。同社の携帯電話サービスに2年契約で加入したユーザーには,未使用通話時間を翌月に繰り越せる「Rollover」を,プロモーション・キャンペーンとして500分追加する。

 また米Verizon Wirelessが,同日ニューヨークシティの小売店で「開店して15後に最初の申請を受けた」(Verizon Wireless社)ことを発表した。

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[発表資料(Cingular社1)]
[発表資料(Cingular社2)]
[発表資料(Verizon Wireless社)]