Linuxの普及促進を目指す非営利団体Open Source Development Lab(OSDL)は米国時間11月24日,米SCO GroupのLinux攻撃に対して異議を唱えるポジション・ペーパーを公開した。「Linuxがソフトウエア・コードを不正使用しているというSCO社の主張を裏付ける証拠は何一つ公開されていない」(OSDL)

 同ポジション・ペーパーは,ソフトウエアの著作権法に詳しいコロンビア大学教授のEben Moglen氏が,今月初頭にオレゴン州ポートランドで開催されたOSDLのCustomer Advisory Councilの会議で発表したもの。OSDLは同ポジション・ペーパー公開の理由を,「Linuxユーザーや開発者コミュニティが,Liuxを使用することによる問題やリスクがあるかどうか,より正しく認識するための助けとする」と説明している。

 Moglen氏が同ポジション・ペーパーで指摘している主な内容は以下の通り。

1)SCO社は今年8月に,LinuxでUNIXソフトウエア・コードを「不正使用」しているとする例を二つ発表した。しかし,「それはSCO社の主張を裏付ける代わりに,著作権法に対するSCO社の傲慢な態度と,いい加減な調査を示すものだった」(Moglen氏)。

2)SCO社はGPLソフトウエア・ラインセスは無効だと主張しながら,GPLソフトウエア・ラインセスが同社を法律上保護していると述べている。「SCO社の法的行為はまったく矛盾している」(Moglen氏)

 OSDLでCEOを務めるStuart Cohen氏は,「SCO社がエンド・ユーザーを提訴するという行動をとろうとも,Linuxの躍進は続く」と述べた。

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