米Adobe Systemsは,サーバー向けPDF文書作成ソフトウエア「Acrobat Elements Server」を米国時間11月17日に発表した。デスクトップ向け「Acrobat Elements 6.0」など,Adobe社が提供する一連のPDF作成ソフトを統合した製品。同社によると,「企業は社内のニーズに応じたPDF文書を,デスクトップ・パソコンやサーバーから,容易に作成できるようになる」という。

 Acrobat Elements Serverを企業の中央サーバーで運用することで,社員はWebサーバー,電子メール,ドラッグ&ドロップ専用フォルダなどを介して,任意のファイルをPDF文書に変換できる。同ソフトウエアは,米マイクロソフトのWord,Excel,PowerPoint,カナダCorelの「WordPerfect」,Adobe社のPhotoshopなど,さまざまなファイル形式に対応する。

 IT管理者は,Acrobat Elements Serverにより,社内で作成するPDF文書を自社の規定に準拠させるなど,集中的に管理できる。例えば,財務部門のPDF文書に128ビットの暗号鍵を適用したり,マーケティング部門のPDF文書に版下として通用する品質を持たせることも可能である。「各部門のニーズにあったPDF文書を作成するように設定できるため,生産性を大幅に向上できる」(Adobe社)

 米META Group副社長の Tim Hickernell氏は,「企業は,ユーザーが容易にアクセスでき,IT管理者が必要に応じてカスタマイズできる方法で,PDF文書の作成機能を一括管理したいと考えている」と説明する。「サーバー・ベースのAcrobat Elements Serverは,PDF文書の作成機能を犠牲にすることなく,企業の導入やサポートにかかるコストを削減できる」(同氏)

 Acrobat Elements ServerはWindows 2000,Windows 2000 Server,Windows XP Professionalに対応し,英語版のみの提供となる。1000人向けのライセンス料は,1ユーザー当たり28ドルから。サーバー当たりのライセンス料は2万2500ドル。米メディア(CNET News.com)によると,発売は11月26日になる予定。

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